減感作療法(鳴門市 かわの内科 アレルギー科)

減感作療法とは、その患者さんのアレルゲンをほんの少しずつ体内に入れ、徐々に増やしていくことでそれに対する過敏な反応を減らしていこうという治療法です。 花粉症などのアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくなどの病気に対して行われています。
簡単に言うと、本来、細菌やウイルスといった外敵が体内に入り込んだときに、体を守るために働く免疫系が勘違いを起こすのがアレルギー反応です。本来外敵でも何でもないアレルゲンが体の中に入ったときに免疫系が「おや?これって外敵かな?」と勘違いして反応が起こってしまうのです。
この勘違いを直すために、ほんの少しのアレルゲンを体内に入れます。大変少ない量のアレルゲンに接触したときには、免疫系は「外敵だ!」と思わずに「これって何だったっけ?」と考え込んでしまうんですね。 そこでしばらくしてから、もう少しだけ多い量のアレルゲンを体内に入れます。そのときも免疫系は「う~ん、何か見覚えがあるけど、敵だったかなあ。忘れたなあ」となり、「敵のような気もするけど、まあ適当でいいや」となって、反応が弱くなってしまうのです。
うまくいくと薬が不要になったり、大幅に減らすことが出来ます。医師による治療の中ではアレルギーを「治す」というところに一番近いと言えるでしょう。
減感作療法という名前のほかに「免疫療法」や「脱感作療法」とも呼ばれることがあります。

減感作療法の効果

減感作療法は現状では唯一のアレルギー疾患を治し得る治療法とされています。
しかし、全員には効きません。花粉症での効果についての報告では、おおよそですが80%以上の方は多少なりとも効果がるといわれています。しかし残念ながら10-20%では治療効果がありません。

減感作療法の方法

一般的な注射による方法

日本で認可されている方法は注射による方法です。
アレルギー物質を含んだ注射液を低い濃度から徐々に濃度をあげて注射します。
急にあげると危ないからです。毎週1回の注射を4〜6ヶ月程度続けます。
その後に間隔をあけていき、6〜9ヶ月頃になると、最終的1ヶ月に1回の注射になります。
3年以上の継続が必要です。計画的に行わないと効果も少なく、根気よく通っていただく必要があります。
また、アナフィラキシーというひどいアレルギー反応が起こる可能性もあります。
特殊な治療法ですので、行える施設も限られております。
(当院では現在のところ行っておりません)

舌下免疫療法

注射による方法は、注射による痛みがあることと通院が大変なことが問題でした。
そこで、同じ事を薬でできないか?が考えられ、これまで、鼻に投与する方法や飲む方法などが検討され、
舌下法に至りました。現在では欧米の減感作療法は舌下免疫療法が主流になっています。
舌下免疫療法でもアレルギー物質を含むエキスを用います。舌の下にこの液を滴下します。これを約2分間舌下に保持してもらい、その後吐き出します。これを最初の4週間は毎日1回行います。その後は週1回します。滴下は家で行いますので、毎日の通院は不要ですが、1ヶ月に1回程度の通院は必要となります。
舌下免疫療法でも治療期間は2年以上です。舌下免疫療法は注射に比べて通院日数はかなり少なくなりますが、治療期間は年単位です。
舌下免疫療法は日本ではまだ健康保険に認められておりませんが、既にスギ花粉症に対する臨床治験(新しい物質が医薬品として国から認めてもらうために行う臨床試験:つまり一部の患者さんに、実際に薬として治療し有効性を確認する試験)は終了しています。

副作用について

稀な確率で副作用が報告されています。
一般的な治療法である注射法では、注射により喘息や咳などの副作用を誘発する可能性があるとわかっています。
したがって、舌下免疫療法も理論的には同じ副作用が考えられますが、海外でのこれまでの試験では、副作用は注射法よりも少なく、重篤な副作用の報告はありません。現状では舌下免疫療法の法が安全と考えられ、注射法より安全性が高いとされています。